オーストラリアの弁護士のいろいろ その27 自信

皆さんに質問です!

例えば初めて弁護士事務所に行って、目の前の弁護士が自信なさそう~な弁護士だったらどうしますか?

弁護士に依頼するとなると、自信のある弁護士に頼みたいですよね。

空の自信だったら意味無いですが、それでも、自信なさそうな弁護士をあえて選択はしないと思います。

 

私は、弁護士になって17年。

弁護士としての自信は、正直、独立した8年前から自覚しています。独立したら、全部自分の責任なので覚悟ができます。その覚悟でやっていると自信がついてきます。

じゃあその前は?というと、自信がなかった訳ではありませんが、オーストラリアの弁護士事務所のコンプライアンスはとてつもない!!あれもこれもコンプライアンスで、がんじがらめ。自信無いというより、あれしちゃダメ、これしちゃダメ、こうしなさい、あれしなさいの規則づくめ。

コンプライアンス地獄の中で、その上にいくのが「魔のノルマ攻め」(こちらではバジェットと言う)。このブログシリーズの一番最初に書きましたが、各弁護士は社長(弁護士事務所ではパートナーと言う)から1ヶ月ノルマを課せられ(例えば、新人の貴方は1ヵ月$20,000.00の売り上げをあげなさい)、そして1日1時間(1ユニットx 6 minutes x 10 x 6 hours  = 60 units  のタイムチャージを記録しなくてはいけないというノルマも必須。

案件の作業にかかった時間をそのままタイムチャージに乗せてしまったら、それがそのまま全部クライアントの請求額になってしまうため掛かった時間をそのまま丸ごと記録することはできない。そのためには、時間外や家でやったり、週末下調べをしたりして時間調整をするのです。

そして月末にパートナーとノルマ達成か否かのミーティングがあり、達成できなければ理由が必要。達成できない月が続くと、クビ。

これは新人弁護士として働き始めた月から開始。ノルマが達成できなければクビの世界なので、毎日緊張、必死。

必死だったらから自信どころではなかったなと今思います。私は独立するまで、毎朝、事務所までの通勤の車の中で、(これも前に書きましたが)大好きな嵐の元気のある曲をかけて自分に気合いをいれて出勤したものです。事務所のドアをあけるまでの緊張、これが9年。

全く余裕のなかった9年。

でも独立して、事務所へ対する責任を今度は自分で背負うことで、見える世界が明るくなりました。全責任は自分の責任。これが私にはあっている、というか、そこまで成長させてくれた過去所属していた弁護士事務所に感謝です。だから私は今一人でもやっていけています。

自信持って弁護士やっています!!